令和2年7月豪雨【熊本県人吉市豪雨災害】
熊本県を流れる球磨川水系は、八代市、芦北町、球磨村、人吉市、相良村の計13か所で氾濫・決壊し、約1,060ヘクタールが浸水した。球磨村にある特別養護老人ホーム「千寿園」では、水没した施設で入所者14人が死亡した。国土地理院の浸水推定図によると、千寿園のある球磨村渡地区で浸水の深さが最大9mに達したとみられる。人吉市では市街地の広範囲が浸水し、過去の水害よりも高い位置まで浸水した。例えば人吉市下青井町の電柱には、1965年に2.1mの高さまで浸水した記録が残されているが、この豪雨では4.3mの高さまで浸水したという。また八代市坂本町中心部では住宅に流木や土砂が流れ込むなどの甚大な被害が出た。熊本大学の調査によると、坂本駅近くの住宅で5.4mの高さまで浸水した痕跡があった。また、芦北町(田川地区で土砂崩れによる死者あり、佐敷駅冠水)や津奈木町(福浜地区で土砂崩れによる死者あり)でも被害が出ている。